【感想】岡田斗司夫ゼミ1月4日号 戦闘思考力入門

岡田斗司夫のニコ生が面白いです。

岡田さんの頭の回転の素晴らしさは、朝日新聞の「悩みのるつぼ」という、読者の悩みに回答するコラムを読めばすぐに分かります。
「悩みのるつぼ」の記事は岡田さんのブログで公開されています。
http://blog.freeex.jp/archives/cat_10026125.html

この「悩みのるつぼ」で見せるような岡田さんの頭の回転を、岡田さん自身は戦闘思考力と呼んでいます。
この戦闘思考力を用いて、どのように悩みの回答を作るのかを実演したのが、1月4日のニコ生岡田斗司夫ゼミです。
http://nico.ms/lv204102097

オススメは46分頃からの悩み。

18歳 浪人生
特に将来、何になりたいでもなく、ただ行きたいという理由だけで京都大学の法学部へ進学すべく勉強してきました。ですが最近、以前のような気持ちでペンをとることができないのです。幼いころにみた、アニメ業界で働きたい、という思いが心を染めています。これは逃げなのかもしれません、私はどうしたらいいのでしょうか。このままでは、どちらも不本意に終わってしまいそうで、怖いです。

まず、岡田さんは「ペンをとることができない」「思いが心を染めています」という文体から、この質問者は悩みに酔っているという状態を読み取りました。
つまり、質問者は悩んでいる状態に実はそんなに困っていない。

そして、「京都大学法学部」はプロセスなのに対し、「アニメ業界で働きたい」はゴールであることに着目します。
つまり、京都大学法学部を卒業してアニメ業界に入ればいいだけな訳です。
問題は、このことに質問者が気づいていないことです。

なぜ質問者はそのことに気づかないのか。
質問者は努力が足りなくて京都大学法学部に落ちるということから逃げたくなっているのですね。
そのため、本来は二項対立ではない、プロセスとゴールという無茶な対立軸を作り出して、自ら悩みに落ち込んでいた訳です。

京都大学法学部」は努力すれば到達可能な目標、「アニメ業界で働きたい」は運や才能に大きく左右される目標です。
アニメ業界の方にチャレンジすれば、言葉は悪いですが「運がなかった。才能がないと気づけた」と言い訳ができます。
無意識に、そちらの方に逃げようとしていたのですね。

18歳だと、周りから、目標を持て、夢を持て、という圧力があるかもしれませんが、そういうものが決まっている人は、実際にはとても少ないです。
先々の目標に囚われず、自分が努力で到達可能なところを目指してから、次の目標を探していけば良いのではないでしょうか。

この人みたいに、本来は対立していないものを対立構造で考えてしまうことで、自ら悩みを引き起こしていること、あるんですよねえ。
人事とは思えず、感情移入して見てしまいました。